失敗か成功かなんて考える余地はない。
人生まだまだこれからだ、と思い続けていたが、そうではないらしい。
学生の頃、授業などであてられたとき、いつも正しい答えを言わなければいけないと思っていた。つまり、失敗することは”悪”だと考えていた。
なぜなら、当時のテレビ番組では所謂”おバカ”タレントがクイズに答える番組が流行っていて、彼らが間違った答えを発すると周りが爆笑するといった状況が日々テレビから流れていた時代だった。
そんなものを毎日みていたら、間違うことは笑われて、ダメなことなんだと思うにきまっている。
だけど、今あの時を振り返ったら、間違うことにビクビクしていて、正しい答えばかりに気を取られ過ぎていたと感じる。失敗することは悪いことではないし、恥ずかしいことではなかった。しかし、そのようなことを助言してくれる大人は、私の周りにはいなかった。もう少し間違うことに堂々とできていたら、と考えずにはいられないが、今更どうすることもできない。
昨今は、高学歴タレント?たちがクイズ番組で活躍する番組が流れている。これをみて今の子たちはどう思うのだろうか。
今日も頑張って生きた、と思うだけで精一杯なのに、そこに失敗か成功かの選択が入りこむ余地はない。
未来は暗い。生活は豊かにならない。
そう思っている時点で私の選択は、失敗だったのだろうか。いや、そう思えることは案外、成功なのかもしれない。
そう思わないとやってられない。
2022.9.20
三賀正気