吹き荒れる。
いつも何を考えているのかわからない、としばしば言われる。しかし、そう言われてもさして何かを考えているわけではないから、毎回どういう表情をすればいいのか戸惑う。
その時に気付く。いつも何を考えているのかわからない人は、本当は何も考えていないのだ、と。
社会が壊れてきている。皆が皆、己ではなく他者に注目し、批判だらけだ。こんな世の中で表に立つ仕事をすることは、本当に大変だよなと思う。
私は、本当に整った人生を歩んでいるわけではないから、彼らの事を他人事にできない。面白おかしく非難できない。心の内で思うだけだ。
好きなことに一生懸命な人になりたい。それを仕事にしたいわけではなく、ただ単に好きなことに一生懸命になりたいのだ。
思い返せば、いつも何かに急かされて焦って悩んで生きてきたつもりだけれど、何かに一生懸命になった記憶がなかった。
部活だって勉強だって趣味だって、これといって燃えるような、衝動に駆られるような思いをしたことってあっただろうか。
今からでも遅くないだろうか。
ひとあたり気になるものを手に取って、回を重ねていけば、出会えるだろうか。
そんなことを考えながら、今日も私はスマホを手に取り、赤の他人が発信するつぶやきに笑い、癒され、怒り、そして嫉妬する。
2022.09.07
三賀正気